2018年7月8日(日)放送のNHKスペシャルで、オウム真理教事件の真相について放送されました。
この番組は、オウム真理教の7人の刑が実行されたことをきっかけに急遽放送された番組になります。NHKが独自に入手した資料や音声が公開されました。
放送された内容をまとめていきます。また、こういった教団が作られる背景やどうすればそういった教団が作られないようにするか、簡単に書いていきます。
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NHKで放送された真相とは?
結局、一連の事件に関する理由については、わからなかったようです。
麻原は、裁判の中でも会話が通じないような言葉を繰り返しました。
「アイキャンスピークイングリッシュ」
「私は誘拐されている」
法廷では事件の真相を何も語りませんでしたが、裁判の裏では饒舌に語るシーンがありました。
本当は、事件の全容を話したいと言っていました。その一方で、教団を守らなくてはならない。彼らを救済しなくてはならないと言います。
”救済”とは何からの救済なのか、弟子たちでさえも、理解できていなかったようです。
ただ、弟子たちからは麻原を信じるに値する何かがあったのでしょう。
弟子たちの獄中での手紙によるコメント
麻原の弟子たちは多くが高学歴のエリートでした。麻原自身がそこまで勉強ができなかったことから、自分の周りに頭のいい人たちを置いたといわれています。
そういう弟子たちも、獄中の中では、冷静に答えることができる場面もあったようです。全部を公開されることはありませんでしたが、一部公開された内容は以下になります。
早川「私の誤りは、グル(教団のこと)は間違うことがないと信じていたことです」
井上「救済の名において多くの信者が、かけがえのない多くの方の命を奪ってしまいました」
一度教団に入ってしまっては、そこから抜け出すと大変なことになると、教え込まれることも多いです。早川が、教団に入ったのは誤りだと本当に思っているのであれば、そういった教団の洗脳から立ち直ることができたということでしょうか。
井上においても、多くの命を奪うことが悪であると思っていたかどうかは定かではないですが、”救済の名において”という前提をしていることから、本当に反省しているという意図はあまり読み取れないようにも思います。
人を操る技術とは?
まさに、マインドコントロールをして人を操ります。マインドコントロールには、人を心理的に操り、自分の意図する行動を取ってもらうように仕向けることです。
商品販売にもしばしばマインドコントロールが使われることがあります。たとえば、「これはみんなが使っているものです。とか、有名な〇〇さんも使っています」というように言って、”私も買わなきゃ”という心理にさせるなどが例として挙げられます。
しかし、マインドコントロールには良い面もあり、それは、自らのパフォーマンスを上げるために使われることです。たとえば、スポーツ選手は、試合当日に最高のパフォーマンスを発揮するために自分の心を整えるということをします。
W杯などの日本国民から全世界の人々が注目する試合で、平常心を保って練習通りの成果を出すために、自分のマインドをコントロールするということですね。
オウム真理教の勧誘でも、このマインドコントロールが使われたことは明らかです。普通の人々が、”危ない”、”やめておくべき”と思うはずのところを、”これこそが正しいものである”と信じて疑わないのですから、そこにはち密なマインドコントロールが仕掛けられていたことは容易に想像できます。
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教団を作る人の背景
教団のトップによってマインドコントロールされるとしても、そもそもそういう教団が作られなければ、マインドコントロールされる人もいなかったでしょう。
であれば、麻原彰晃の育ってきた環境を振り返ることで、そのきっかけを知ることができるのはないでしょうか。
麻原彰晃は、もともと片方の目が見えません。全盲ではないですが、片方の目からは薄っすらと景色を見ることができます。
そして、9人兄弟の7人目として生まれました。あまり裕福な家庭ではなかったため、学費を援助してもらえることから全盲の学校に20歳のときまで過ごします。
麻原彰晃は、そのことを良く思っていなかったそうですが、全盲の学校に、片目だけが見える状態で過ごしたため、全盲の他の子たちよりも圧倒的に有利な状態で学生生活を過ごすことができました。
相手は目が見えませんから、何かを命じて行動させたり、嫌がらせをしたり、相手を支配することに快楽を得ていたようです。
この幼少期での出来事が、教団をつくり、支配的な立場に立つことのきっかけになったと言えます。
教団を作る人の性格
誰かを命令して思い通りに動かしたい。自分が世界の中心であるという自己中心的な性格です。そして、そんな自分への愛が非常に強いです。
たとえ自己愛の強い性格であっても、相手に対する道徳的な思考を持っていれば、自分よりも弱い立場の人を思いやることができるはずだが、麻原彰晃のように、自分よりも弱い立場の人間に命令することに快楽を感じてしまう思いやりに欠ける人間は、最悪の場合、「自分が何よりも正しい」ということを証明するために、教団を作ったり、世の中的にやってはいけないとされていることも平気でやり遂げてしまう。
日常的に言えば、DV夫など、相手を支配するような人も、自己愛が非常に高いということが言えます。
アメリカでのテロでも、トップの人間は必ず自己愛が強いことがわかっています。
こういう教団を二度と作らないようにするためには、自己愛を強烈に育ててしまうような環境に身を置かないようにすることです。
また、人の心は操られることがある、そして操られていることに気づかないこともあるということを知識として知っておくということです。
真相を少しでも分析したい場合は?
よく考えれば、テレビ放送波で、そんな真相に近いことを流すということはないのかもしれません。たとえば、なぜ、そういう教団を作ったのか?とか、教団の作り方とか。
そういうものを放送してしまうと、それをまねしたい人が出てきたら困るから、あえてそこまで深く触れないようにしていることも考えられます。
しかし、世の中には、真相に近いこと、客観的にこの事実を捉えて解説されているような本も存在します。
そもそも宗教というのは一種の洗脳です。
なので、どのように人を洗脳して動かしたのか?なぜ、人を洗脳したいと思ったのか?といった様な人間心理を勉強すると、真相に一歩近づけます。
私が読んだ本は、「マインド・コントロール」という本ですが、その本を読んでから放送を見ると、弟子たちのコメントも、他にも文章はあっただろうに、あまり核心的な言葉が放送されなかったなーと感じました。
NHKの放送を見るよりは、こういった、人間心理の特に人を洗脳して動かすということに関する本を読んだ方が、よほど真相に近づけるのではないかと思います。
事例としても、オウム真理教のことが出ていますし。海外でのテロリストの話もされているので、一読するだけでも勉強になること間違いなしですね。
「マインド・コントロール」というタイトルの本はたくさんあるので、間違えないようにしてください。
マインド・コントロール増補改訂版 (文春新書) [ 岡田尊司 ]
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